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<目次>
全体の研究紹介
・有機材料とはどのようなものか
高分子材料
高分子錯体
電気・光機能性高分子材料
有機太陽電池の材料設計
π共役高分子錯体に関する研究
電気・光機能性を有する有機ナノ材料に関する研究



<有機材料とはどのようなものか>
 現代社会において、プラスチック、合成ゴム、合成繊維を代表とした機能性有機材料は様々な場所で利用されており、社会の発展に寄与してきました。これらの材料の有する「物性・機能」は材料そのものの化学構造だけではなく、分子が相互作用することで形成した集合体(かたち)の特徴にも由来します。



 ろ過分離膜を例に挙げて、もう少し具体的に説明しましょう。ろ過分離膜を用いた膜分離法は、大抵の場合、膜はふるいとしての役割を果たさなくてはならないので、捕まえたいサイズの粒子よりも小さい穴が開いた膜を用いなければなりません。このような膜は様々な方法(延伸法、エッチング法、Loeb法など)によって、高分子薄膜に穴を形成させることでつくられています。その穴の大きさによって、目に見える粒子の除去から、ジュースの濃縮など様々な用途があります。このように膜そのもののかたちによって、機能が発現しています。



 一方、イオン交換膜は膜内にイオン交換基をもつ膜です。陽イオン交換膜ならば、スルホン酸基(SO3-)など、陰イオン交換膜であれば、四級アンモニウム基などが膜内に固定されています。これらの置換基によって、膜内の固定電荷と反対の電荷をもつイオンに対して選択的に透過性を示します(高校の化学の教科書にも載っています)。この機能を利用して、食塩の製造における海水の濃縮や電池(燃料電池、リチウムイオン電池など)の電解質など様々な用途があります。このように膜を形成する有機材料の化学構造によって、機能が発現しています。



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