研究紹介

有機固体の特徴として、

  1. 固体(結晶)を構成する分子の種類が無数にあること
  2. 分子が集まって固体を形成する際に発生する分子間の引力(ファンデルワールス力など)が比較的弱く、その引力も異方性があること

などが挙げられます。例えば、2.の性質から、同じ分子でも、その集合体の固体では、分子の並び方が変わるなど構造の多様性が生まれます。

また通常の有機物は絶縁体ですが、伝導性、磁性といった「機能性」とよばれる様々な性質の実現のためには、固体内を自由に動ける伝導キャリア(電子またはホール)をつくることが重要です。この伝導キャリアのつくりかたとして、電界効果や光照射、化学的ドーピングなど、手法はいくつもあります。どの手法を用いるかで研究テーマの目標とする物性も変わります。

  1. 分子自体に由来する自由度
  2. 物性を評価する際の手法(の自由度)

これらによって達成できる物性が多彩であることは有機系固体の研究のおもしろいところです。言い換えると、誰もが知っているようなありきたりな分子(材料)でも、これまで調べられていない物性評価をすると、素晴らしい性質を示したりするということです。

上記を踏まえて本研究室では以下のような研究テーマをすすめています。

  • 有機半導体の開発とトランジスタへの応用
  • 有機伝導体を構成する分子の開発と伝導体の物性評価
  • 有機トランジスタの新しいデバイス作製法の開拓

分子がもつ個性を理解し、適材適所を見つける研究を一緒にやりませんか?研究活動というとカタい印象を受けますが、科学的な視点に基づいて、有機化合物をプロデュースしていると言い方も正しいと思います。

このような研究を通して、優れた有機機能材料を開発すること、その基盤となる知見を発見することを目標としています。

興味が持てたら、研究室に見学に来てみてください。学年は問いません。お待ちしております。

甲南大学理工学部機能分子化学科

有機固体化学研究室

〒658-8501 神戸市東灘区岡本8-9-1 北7号館C-213室

Organic Solid Chemistry

Department of Chemistry, Konan University

8-9-1 Okamoto, Higashinada, Kobe 658-8501, Japan

Copyright © 有機固体化学研究室
トップへ戻るボタン