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【主な研究テーマ】
【溶液化学分野】

溶液化学反応における微視的溶媒効果の解析

化学反応の起こりやすさをコントロールする物理的な要因として温度や圧力がある。溶液化学反応を対象にすると、さらに、溶媒による反応場の性質が非常に大きく影響する。例えば、イオン的な性質の強い反応は極性が強い溶媒中ほど進みやすい・・・など。これらの溶液化学反応の起こりやすさに対する微視的な反応場の影響を研究している。

1.界面活性剤ミセルの形成による微視的不均一反応場での様々な研究

ミセル溶液中の蛍光消光と蛍光寿命による解析
光化学では基底状態の化学に比べてより定量的な把握が可能となる。それは、励起状態が一定の寿命とエネルギーをもつためである。このような特性から本研究では消光剤による励起種の失活過程を蛍光強度と蛍光寿命の双方向から観察し、化学反応と微視的反応場について考察している。


ミセルに起因する反応速度論的アプローチ
ミセル溶液は、水溶液のような均一溶媒系と異なり、不均一な反応場が形成されている。すなわち有機相と水相が分散状態で存在しているために、反応物は様々な相互作用を受けることになる。この影響を反応速度論的に解析することによって、反応の推進力は何か?その反応機構はどのようなものか?など、活性化、熱力学諸量を用いて反応性を分子論的に解明することでこのミセル反応場を明らかにしていこうという研究である。このようなことを考察している。


ミセル-水相分配平衡による可溶化分布の研究
ミセル溶液中での種々の反応を、「微視的不均一反応場の影響」という観点で研究するなかで、ミセル-水相間の分配平衡を仮定して反応速度を解析することによって、間接的に分配係数(分配平衡定数)について考察している。

2.包接化合物シクロデキストリンによる影響の研究
食品や医薬品など、様々な分野で使用されている多糖類であるシクロデキストリンは、ドーナツ状の分子で、様々な化合物を分子内に取り込んで包接錯体を形成する。例えば、蛍光物質であるTNSが包摂された場合、その周囲の環境変化によって発する蛍光も変化する。この性質を利用して分光学的手法によってその特性を研究している。
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