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研究の概要

現在人類が利用しているエネルギーは約15 TW(T=1012)です。2050年にはその量は30 TWにまで達すると予想されています。地球温暖化問題が深刻になる中、この溝を埋める方法として、太陽エネルギーへの期待が高まっています。私たちは、太陽エネルギーの有効利用を目指して、太陽電池の新技術・新材料に関する研究や光触媒・光電極による光エネルギーの利用に関する研究を行っています。

水分解光触媒と光電極

水分解による水素製造は、将来の社会エネルギーシステムのための新技術として注目されています。その実現のため、太陽エネルギーを利用した光触媒や光電極による水分解への期待が高まっています。しかし、現状のこの系のエネルギー変換効率は、太陽電池と比べるととても低く、いかに高効を向上させるかが研究のターゲットとなっています。私たちの研究室では、反応系や光触媒・光電極の電子エネルギー構造を制御することにより、その実現を目指しています。


(擬似)太陽光照射条件で水素を発生する半導体光電極


紫外(LED)光照射条件で水を分解する粉末光触媒

化合物薄膜太陽電池

無機の化合物半導体からなる薄膜太陽電池は、省資源型であることから、将来の太陽電池の本命とも目されています。しかし、その製造には、大規模な真空設備を必要とすることに加えて、希少元素を利用しているなどの問題があります。これらを解決するため、電気化学堆積法や塗布法など溶液を用いた非真空プロセスによる無機化合物半導体あるいは有機半導体と無機半導体とのハイブリッド材料など、資源的に豊富な元素を使って製造できる新しい太陽電池の開発を行っています。