(dynamic)超分極率ベータの計算は
構造最適化をab-initioでおこない
その後半経験的な計算で求めているようです。
たとえば、
Title: *First *hyperpolarizabilities* of ionic octupolar molecules:
structure-function relationships and solvent effects*
Author(s): Ray PC, Leszczynski J
Source: CHEMICAL PHYSICS LETTERS 399 (1-3): 162-166 NOV 21 2004
そこそこの精度でているようです。励起状態の計算はab-initioでも???なので
半経験的でいいような気がします。
モロコシ先生のPPPという方法はよくわかりませんが、あまり使われてないよ
うです?
mopacに付属しているMOS-Fに計算プログラムがあり、
windowsで動くmopac2000+mos-Fは当研究室にあります。
また、化研sclにもあります。
mos-fについては
http://venus.netlaboratory.com/material/messe/winmopac/mopac_mosf_faq/mosf/index.html
Q1-4:
計算値の信頼性はどうでしょう。定量的に合うのですか?
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A1-4:
MOS-Fでは、励起状態の計算に適した方法を採用しています。したがって、紫
外・可視吸収スペクトルや励起状態の双極子モーメントについてはMOPAC より信
頼性が高いと考えられます。また、周波数依存超分極率βについては、MOS-Fで採
用している計算手法で論文が多数でていることから、信頼性は高いと考えられま
す。詳しくは『5. MOS-Fの計算値の信頼性は?』
<http://venus.netlaboratory.com/material/messe/winmopac/mopac_mosf_faq/mosf/index.html#Sec5>
を参照願います。
ただし、紫外・可視吸収スペクトルを定量的に予測することはMOS-Fばかりでな
く/ab initio/分子軌道計算でも困難です。高精度/ab initio/分子軌道計算によ
るベンゼン等基本的な分子の計算例については、たとえば、
* T. Hashimoto, H. Nakano and K. Hirao, /J. Chem.
Phys./, *104*,
6244 (1996).
* H. Nakano, T. Tsuneda, T. Hashimoto and K. Hirao,
/J. Chem.
Phys./, *104*, 2312, (1996).
を参考にしてください。
Q5-5:
MOS-Fは第一超分極率βの計算に適していると聞きましたが、MOS-Fでβを計算した
論文はあるのでしょうか?
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A5-5:
もともと、MOS-F は非線形光学材料の特性を予測する上で重要な第一超分極率β
を計算するために開発されたプログラムです。 MOS-F を用いてβを計算した論文
としては、
* J. Abe and Y. Shirai, /J. Am. Chem. Soc./, *118*,
4705 (1996)
>>>> ベタインとか計算している。(山本)
* J. Abe, Y. Shirai, N. Nemoto and Y. Nagase, /J.
Phys. Chem. B/,
*101*, 1910 (1997)
* J. Abe, Y. Shirai, N. Nemoto and Y. Nagase, /J.
Phys. Chem. A/,
*101*, 1 (1997)
などがあります。
その他、MOS-F で採用している計算方法 (半経験的分子軌道計算+時間依存摂動)
を用いたβ計算例は沢山あります。 β計算については、たとえば
* 西本吉助、今村 詮 編、山口兆、山辺信一、北浦和夫:分子設計のための
量子化学、223-229頁、講談社サイエンティフィク、1989.
を参照願います。
ーーーー以下西先生より
Gaussian03で、波長を指定したβの計算ができるようなので
以前試してみました。
とりあえずやってみたという段階ですが。
以下のような入力ファイルです。
************************************************
#P B3LYP/6-31G* Polar=EnOnly CPHF=RdFreq
Benzylbutyldimethylammonium cation
+1 1
6
0 -1.209741
-0.050799 -0.647686
(中略)
1
0 0.906608
3.521289 -9.757691
260 nm
************************************************
出力ファイルの一番最後にβが出てきました。
(順番にxxx,xxy,xyy,yyy,xxz,xyz,yyz,xzz,yzz,zzzです。)
************************************************
HyperPolar=0.2722087,-12.0074839,-0.02
27351,56.9298642,-4.3169854,0.5100383,-59.375411,0.9289526,16.8359754,
-85.8725077
************************************************